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2022.10.26

コラム

BOSOインダストリアル(トラディショナル)ラムについて

インダストリアル(トラディショナル)ラムとは

ラム愛好家の方ならご存じのことだと思いますが、世界中のラムのほとんどは砂糖づくりの過程でできる廃糖蜜(モラセス)を原料につくられており、このタイプのラムを総じてインダストリアルラムとかトラディショナルラムと呼んでいます。
そしてその背景には、三角貿易や奴隷制度などの悲しい歴史、海賊や砂糖利権にまつわる荒々しい物語があり、それがまた他の蒸留酒とは違うラム特有の文化を育んで来ました。

「インダストリアル(工業的)」や「廃糖蜜」などのワードからか、アグリコールラムと比べて低品質なイメージを抱かれがちですが、実際にはインダストリアルラムにも驚くほど豊かな香りや味わいを持つものがあり、その魅力はまたアグリコールにはない特有のものだったりします。

本来、ペナシュール房総のプロジェクトは房総産のサトウキビジュースを使ったテロワール溢れるアグリコールラムや自社製のシロップを原料にしたハイテストモラセスラムをつくることが目標なのですが、せっかくラムの蒸留所をやるならインダストリアルラムでも房総大井倉蒸溜所らしさを表現することにチャレンジしたいと考えて、廃糖蜜を仕入れるべく各所に相談をはじめました。

ところが簡単に見つかると思った廃糖蜜が、日本の製糖技術向上による産出量の減少やその他の事情も絡んで入手困難であることがわかり、インダストリアルラムづくりは暗礁に乗り上げていました。

ある特別なモラセスとの出会い

すっかりインダストリアルラム製造を諦めかけていたある時、サトウキビ生産サポーターの方から比較的近くの製糖会社をご紹介いただき、ある特別な砂糖をつくる際に出るモラセスをわけていただけることになりました。
このモラセスが、殊の外香りが高く良い甘味を持っていること、そしてもろみをつくってみてわかったのですが、ちょっと変わった発酵の仕方をすることや雑菌の影響を受けにくい性質があることから、今まで貯えてきた色々な製造方法を試すに相応しい原材料となり、BOSOインダストリアルラムの製造をスタートすることができました。

現在、サトウキビ葉やバガスをもろみに漬け込んでみたり酵母の種類や投入のタイミングを変えたり、発酵工程でマテバシイを活用したりと実に様々なアプローチでインダストリアルラムづくりを行っていますが、全体的にかなり期待の持てる原酒ができています。
おそらくこのタイプのモラセスを使用したラムは世界初になるかなと思います。
房総の自然が持つあらゆる素材を使ってBOSOらしいインダストリアルラムを仕上げていますので、来年春予定のリリースを楽しみにお待ちください!